【ひとりひとりが才能児!】NHKハートネットTV「浮きこぼれの子どもたち(2)」当事者保護者として出演しました。

11月30日と12月1日、二夜連続で放送されたNHKハートネットTVに、当事者保護者として出演させていただきました、サイト運営をしている山下仁美です。

12月1日の(2)ひとりひとりが才能児 という生放送の回です。

ハートネットTV▽“浮きこぼれ”の子どもたち(2)ひとりひとりが“才能児”! | NHK ハートネットTV
高い能力や強い好奇心によって、学校から“浮きこぼれ”る子どもたちがいる。すべての子どもたちが適切な学びにつながるために何が必要か、生放送で語り合う。

生放送、ということで実はかなり怯んでいました。

どんな風にこわいのかも、まったく想像つかなくて決まった時から緊張してました笑。

録画しておいた自分の出ている放送はちょっと正視できなくて、そっ閉じすること一週間あまり。

やっと少し気持ちの距離を置いて、放送全体を観ることができました。


全部通して観てみて思うことは、当たり前なのですが、「生きづらさ」にフォーカスされているということ。

(1)のタイトルには「見過ごされてきた生きづらさ」(2)のタイトルには「ひとりひとりが才能児!」とあります。

いままで見過ごされてきている生きづらさを抱えている子どもたちがいて、その深刻さは理解されにくくて、大人になっても子どもの時に傷ついた心をそのまま抱えてしまう。

そういうことが実際にあることを多くの人に知ってもらいたい、という番組でした。

また、ひとりひとりが才能児!というタイトルにあるように、みんなにそれぞれ才能があってそれを自由にのびのび伸ばすことを目指そう、ということだと思うのですよね。

実際、浮きこぼれ、の子どもたちは学校で不適応を起こしたり能力を隠してしまったりするので先生の目から見たら落ちこぼれや問題児に見えてしまうこともあります。

番組にも出てきたように、本人は苦しんでるけれど優等生のように見えてしまう子もいます。

そして親は子の強い意欲を理解していても、先生に何と言っていいかわからないかもしれません。

「学校では不適応を起こして迷惑かけているかもしれませんが、本当は違うんです」みたいなことを必死で伝えてもなんだか誤解されがちです。

親がこういうことを言うのは本当に誤解されるんですよね笑。

親バカ認定とかモンペ認定とか、いろいろネガティブな印象になりがちじゃないですか?

なにか言うとしたら「ご迷惑おかけして申し訳ありません」というようなことになりがちです。。

親子で苦しむところは、小学校あたりの成長過程が一番大きい。

理由のひとつには、親も子どもと一緒に成長している途中であり、なんだかまだまだよくわからない、というのがあるかと。

強い意欲、知識を渇望する面白くて魅力的な個性を持った我が子が、なぜか学校になじまない。

このことに親自身も戸惑うのに誰にも理解されない状況で必死でなんとかしようとしているというのが親の現状なんじゃないかな、と思います。

そういう意味でも今回の番組で「浮きこぼれ」と表現されたことで、いろいろな立場の方に言語化することや気づきを与えてくれたかもしれません。

まずは個性を認めること、その先にある才能なんだと思います。

自分は自分でいてもいいという、その安全感が先にあることで結果的に才能は伸びていくものだと思うのです。


今回番組を観てくれた友人から、「昔から言ってたことと同じこと言ってたねー」と感想をいただきました。

そうなんですよね、昔から子どものありのままの個性を認めることが一番大切だと言っていました。

伸びたいように伸びたいだけ伸びたらいいな、親の私がきれいに見える形に刈り込ないように、と思って。
(ちなみに今18歳になる子がいますが、少しずつそういう考えになっていきました。途中経過では親がメンタルクリニック通ったりカウンセリングに通ったりなので、最初からではありません。)

いま、ひとりひとりにあった学び方について文科省でも話し合われ始めています。

つい才能にフォーカスされがちだけれど、アンケートなどで集まってきた声は「困っている」ということだと思います。

その子のありのままの個性をどうしてもそのままで見てもらえない、認めてもらえない、否定される、誤解される、意欲の芽を潰され学びの機会を奪われてしまう。

そういうことが実際に起こりがちです。

どうしても才能や能力と結び付けられて考えられやすいですが、本質的には親子で困ってるし傷ついてるし、途方にくれている、ということなんですよね。

こういうことを丁寧に話そうとすると、トータル1時間の番組では全く足りていなかったのですが、改めて考えたり知ったりする機会としては素晴らしいことだったと思います。

もちろん、今までずっと困ってきてなんとか早く社会に変わってほしいと切実に願っている親子には物足りなさもあったかな、とは思いましたが・・。


能力の高低差は背の高さのようなものでみんな違うのが前提であり、そこに優劣はないはずです。

背の高低差で生活に不具合があるならそれぞれに配慮したり道具を使ったりするのが公平です。

高低差があっても同じ配慮と道具を使うのが平等

公平と平等の違い

「浮きこぼれ」というキーワードだけでカバーできるほど単純化できないだろうとも思います。

ROCKETにもいろいろな子がいるので、この「浮きこぼれ」というワードだけではしっくりくる子もいればいない子もいるかもしれません。

けれど、学びの個別最適化、ひとりひとりにあった学びを目指すことをスタート地点にするなら、すべての子どもたちのためになるはずです。

まずは困ってる人が現実にたくさんいるということ、それがたくさんの人の共通認識になるといいですね。

浮きこぼれ、の子はクラスに1,2人はいます、と一緒に出演いただいた松村先生もおっしゃっていました。

共通認識が広がることで今まで見えにくかった子どもたちの生きづらさが見えてきて、子どもたちが救われていくといいな、と思います。


今回番組では公立小学校に通っていた当時の不適応についてのことを中心に話しました。(中心に、と言ってもサラッとでしたが。)

個人的なことを言いますと、学びの選択肢はたくさんあるといいと思ってますし、学校にあわなければホームスクールやフリースクールを選択するのはよいことだと思っていて、うちの場合はその全部を経験してきました。(学校が安心できる場ならそれもよきです。)

保護者リレーブログに以前書いた記事を掲載します。他にもROCKETの保護者のリレーブログにいろいろな方が記事を投稿してくださっているのでぜひご覧ください。

最後になりますが、当事者として出演した吉沢拓さん、専門家として出演された松村先生、アナウンサーの中野さん、スタッフの皆さま方、お世話になりありがとうございました。

中野アナの共感力とファシリテーター力に感動し、そして私たちと一緒になって「生放送緊張する~」とおっしゃっていて私たちの側に立ってくださったことで、私たちは少しリラックスできました。感謝。

最後にもうひとこと。生放送は緊張します!(個人差あり)

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